ラブレター
1.業務(外)報告
2.名前 よいこ
3.年齢 37
4.誰に対する手紙なのか 会社の上司へ。
おつかれさまです。
下記の件につきまして
お忙しいところ申し訳ありませんが
ご確認ください。
本件は内部資料ですので
扱いにご注意願います。
************
最初の頃のわたしは
あなたの心を欲しがっていただけでした。
どうしてこんな利己主義者を
すきになっちゃったんだろうと
いつも後悔していました。
メールはわたしからの一方通行で
いくら待ってもあなたから返事は来なくて
いらいらして
会う度にうらみがましいことを言っては
あなたをいやな気持ちにさせました。
わたしは損ばかりしていると
本気で信じていました。
わたしたちのことが奥さんにバレたとき
さんざん泣きわめいて
リコンしないというあなたを責めましたが
なぜかあなたと離れて生きている自分を想像することは
どうしてもできませんでした。
その頃のわたしは自分が何になりたいのか
わかっていなかったのです。
わたしの苦しみはわたしがつくりだしたものだということにも
気がついていませんでした。
わたしが他の人と結婚して
子供を産んでも
あなたはまったく変わりなく
いつもただわたしを見ていてくれました。
そのときもわたしときたら
あいしてないから平気なのねと
スネていたんです。
そうしていろいろ葛藤したり
泣いたり長い時間をかけて
ようやくわたしにもわかりました。
わたしが欲しがっていたのは
保証でした。あなたがわたしを
ずっと、だれよりも
あいしてくれるという保証・・・
そんな約束、誰にもできないのに。
次に会う日の約束すらできないわたしたちは
とても不安定な関係なのかもしれないけれど
あなたへの想いだけが揺らがない確かなものであり
わたしという存在のしるしです。
停電の晩のローソクの灯りみたいに
今こんな関係だからこそ
それがわかります。
これからも
わたしは
恋人でも
部下でも
友達のひとりでも
あなたののぞむものになってそばにいます。
あなたがほうっておいてほしいと思うなら
他人としてそっと遠くから見ています。
あなたがほしいものを
わたしがもっているなら
あいでも
お金でも
からだでも
能力でも
ぜんぶあげたいと思います。
あなたが自由でのびのびしていて楽しそうなら
わたしもしあわせです。
あなたへの想いがなかったら
「今の」わたしもいないのです。
あなたはわたしのすべてです。
************
以上、どうぞよろしくお願いいたします。
by abc123j
| 2005-05-12 17:44
| あの人へのラブレター
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